野球バカの一言居士

阪神ファンとして生まれ、ロッテファンとして育った野球バカが千葉ロッテマリーンズ等の野球に関した幅広い題材に対して余計な意見を書いていきます

解説二木康太〜エースになる為には〜

どうもこんちゃす。お久しぶりです。

当サイトは開幕前に一つ記事を書いてから今の今まで一つも更新しないという幽霊サイトと化していました。なんとこれが2020年シーズン初の投稿です。まさに今日開幕したことになります。あまりにも期間が空いてしまいすみませんでした。

元々日本語が拙い上にかなりのブランクが空いた為、とんでもない誤字脱字があるかもしれませんが、そこはご愛嬌として温かく見逃して下さい。ですがなるべくミスは少ないように努めますのでどうぞよしなに。

さて、今回のテーマはタイトルにもある通り、期待のエースと言われ続けて幾数年経とうとしている二木康太についてです。

まず今季と昨季の違いについて述べた後、エースになる為にここを改善して欲しいという意見を僭越ではありますが解説、意見していこうかなと思います。

あと、今回選手名に関しては敬称略させていただきます。

 

《昨季と今年の違い》

今季の二木と言えば思い出したくもない雨の仙台での大炎上。そして即二軍落ち。

そこから約1ヶ月後の8月8日、敵地京セラドーム大阪で行われたオリックス戦で今季初勝利を挙げると、そこからはあの炎上が嘘のような快投を続け、気づけば2桁あった防御率も今は4点台前半に、K/BB(投手の制球力を表す指標。一般的には3.5を超えると優秀とされる)は驚異の6.29。さらにWHIP(1イニング辺りどれだけの走者を出したかを表す指標。1.0を下回ると優秀とされる)は0.99。あの炎上を含めてこの成績ですので、如何に再昇格後のピッチングが神掛かってるいるのかが分かります。

では何故あの炎上後からキャリアハイレベルのピッチングが出来たのか、そして昨季と変わったところを具体的な数字を用いながら独自の見解で書かせていただきます。

まず、今季の変化球割合と昨季の変化球割合を見比べてみますが、初めに言っておきます。そこまで昨季と大きな違いはありません。

 

2020年

ストレート53%
スライダー18%
フォーク24%
カーブ5%

2019年

ストレート53%
スライダー15%
フォーク27%
カーブ4%
シュート0%

 

では何が一番変わったのか、ここにある数字を入れてみましょう

 

2020年変化球割合 ロッテ 2020年度

ストレート53%(.221)
スライダー18%(.206)
フォーク24%(.262)
カーブ5%(.333)

2019年変化球割合 ロッテ 2019年度

ストレート53%(.282)
スライダー15%(.234)
フォーク27%(.216)
カーブ4%(.417)
シュート0%(.500)

 

カッコ内の数字、察しの良い方なら既におわかりかと思いますが、この数字は被打率です。

一目でわかるのはストレート、スライダーの被打率が大きく下がり、フォークの被打率が上がっているところでしょう。

フォークの被打率が上がった原因、それはフォークの空振り率が大幅に下がったからだと思われます。

フォーク空振り率

2020年

8.25%

2019年

17.04%

およそ10%去年より空振りが取れていないことから今年のフォークは調子が良くない事が伝わるはずです。

最大の武器であるフォークが打たれやすくなった、思い出せばあの仙台での試合、このフォークを狙い打ちされ、悪条件でのマウンドではありましたが結果として大炎上しました。

再昇格後も昨季よりワンバウンドになるシーンや抜けて高めに甘く入るシーンが多いように感じます。

フォークが打たれやすくなりましたが、その分ストレート、スライダーの被打率を大きく下げた事で大崩れしなくなった事は、ポジティブに言えばピッチングの引き出しが増えたと言っていいでしょう。

では今年の鍵となる球、ストレートにどのような違いが生まれたのでしょうか。

今季開幕前、二木は力強いストレートを得ることに強いこだわりを持っていました

力強いストレートを求め奮闘するロッテ・二木康太 | BASEBALL KING

ここからは自分なりの考察ですが、この時(具体的には開幕前、仙台炎上前)の二木は

力強いストレート=速い球

と考えており、とにかく速い球を投げようとしていたように思えます。

この考え自体は悪くないですし、寧ろ正解に近いです。

フォークを決め球にしている投手にとって、スピードボールというのは必須項目。千賀や有原などを見れば明らかでしょう。

しかし春先の練習試合や楽天戦までのピッチングを見ても、打者と勝負と言うよりもスピードを出したくて腕を振っていた、俗に言うスピードガンと勝負していたように見えていました。

しかしスピードは思うように伸びず、さらに楽天戦で世紀の大炎上。

もうひとつ、二木自身の中で迷いがあったのではないか説。

そもそも力強いストレートという抽象的な言い方からして、速さなのか質なのかどっちつかずなところが出ています。

今回、速さとは単純に球の速さ、質とは回転数やノビのことと定義します。

速さを求めるのか、質を求めるのかといったところで迷いがあって中で、特にスピードのところで二木自身の想像と数字が大きく乖離していて、そのギャップによるズレが仙台の試合で結果として出たのではないのか。

あの仙台で炎上したタイミングで二木の中で力強いストレートに対しての考え方が変わった、定まったように見えました。

ではどちらに重きを置いたのか。

平均球速と最高球速を見比べてみても

2020年

AVG141km/h

MAX146km/h

2019年

AVG140km/h

MAX147km/h

昨季とスピードはほぼ変わっていないのに被打率が大きく下がっています。

また、もう一つ面白い変化があります。

二木 康太【ロッテ】 コース別(ゾーン別)被打率・成績

こちらは今季の二木のコース別被打率

2019年度版 二木 康太【ロッテ】 コース別(ゾーン別)被打率・成績

そしてこちらは昨季の二木のコース別被打率

多くのコースで昨季とは真逆の数字になっています。

特に右打者の真ん中ハイ、アウトコース真ん中、左打者のインコース真ん中、アウトハイの被打率に劇的な変化が見られます

ハイボールでの被打率の低下は、ストレートが強くなったこと、右打者のアウトコース真ん中や左打者のインコース真ん中の被打率の低下はスライダーが良くなったからでは無いだろうかと思われます。

見える形でストレートとスライダーの改善が分かる数字では無いでしょうか。

このことを踏まえた上で、二木は

球速よりもボールの質を取った

と言ってもいいでしょう。

今季に関してはスピードを追い求めるのを諦め、今後の課題として追い求めることは充分考えられます。

 

《エースになる為には》

以上のとおり、昨季との見比べによる二木のピッチングの変化、特にストレートについてわかったかと思います。

ではここからは二木が期待通りエースになれるのか、なる為にはどうしていって欲しいかを僭越ながら書かせていただきます。

結論から言いますと、まだエースと呼ぶには相応しくない3つの改善点があると考えています。

それは

  1. 得意球、フォークの改善
  2. 継続性の無さ
  3. 大舞台に弱い

の3つです。

まず1つ目のフォークの改善

これに関しては今季だけのものであって欲しいのですが、先程フォークの空振り率について話をしましたが、10%程空振り率が低下したことが原因なのか、奪三振率も大きく下がってしまっています。

今季奪三振

7.16

昨季奪三振

8.04

つまり今年の二木は三振を獲る投手からスタイルチェンジしている、せざるを得なくなったという事です。

元々あった制球力に磨きがかかったとはいえ、この大幅な悪化は見過ごせません。

チームのエースと呼べるほどの投手には、厳しいですが圧倒的な実力を求めたいです。

ただこのように分かりやすく数字が落ちた要因があるので、今のストレートとスライダーの調子をキープ又は更なる向上を狙いつつ、フォークの改善に取り組んでいくことで、マリーンズのエースはおろか、日の丸すら見えてくるのではないでしょうか。

2つ目の継続性については、ファンの皆さん知ってのとおり、いい時が短いです。

例年夏場以降になると疲れが目に見えてしまい、明らかにボールに勢いを感じなくなります。

この改善には日々の過ごし方や疲労の取り方といった細かい部分の修正、長い期間投げれるだけのスタミナを付けることである程度改善されるのではと思います。石川と一緒にサウナ行けば良いじゃない?知らんけど…

3つ目、これが一番改善して欲しいところです。

昨季最終戦や今年の8連勝中て迎えた仙台での試合等、重要な試合に非常に弱いように感じます。

私はメンタルの弱いと言われる選手には二種類あると考えていて、一つは萎縮型。もう一つは空回り型です。

二木は後者、空回り型ではないかと思います。

非常に真面目な選手で、ゴシップ系の噂もなく、悪評はほぼ聞こえてきません。ですが真面目すぎるが故にやってやるぞ!っていう思いが重くなりすぎて、一度打たれ始めると焦ってしまうのか、ガタガタと崩れていってしまいます。

メンタリティの強化に関しては専門でもなんでもない上に、個々人で強化の仕方が大きく異なるのでこれだというやり方はありませんが、ない知識で言うならば、空回り型の選手に対しては上手く開き直り出来るかどうかが重要なのではないかと思います。

これは自分で心情をコントロールする事で開き直ることも出来ますが、これがかなり難しい。マウンドに立つと色々なものが邪魔をして上手く開き直ることができません。ですが周りの選手のサポートで容易に開き直させることが可能なのではないかと思います。その中で特に捕手がこの方向へ持って行く事が容易に可能なのではないでしょうか。

幸い、女房役の田村は大舞台の経験も多く、また若いですが代表経験もあるので様々な投手をリードした経験があります。

年々頼り甲斐のある選手になってきていますので、メンタル面でのサポートもより強く出来るのではと思います。ストレートの速さは改善させなくてもいいのかというツッコミを受けそうなのですが、ストレートは単純に速ければいいという訳でも無いですし、エースに求めるのは150km/hよりも勝てる投手になれるかどうかだと思っていますので、省かせていただきました。

以上の3点をクリアーした時、二木はエースと呼ぶに相応しいスーパーな投手になっているのではないでしょうか。

 

以上です。ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。

最後に一マリーンズファンとして二木へエールを送りたいと思います。

きばれ!二木!

 

それでは今日はこの辺で。ではでは